連帯責任が気になる
「じゃあみなさん、連帯責任で罰として中庭掃除をしましょう」
こんなことを言われた経験があるだろうか。
俺はある。
みなさんの中にもこれと全く同じでなくても、何かしらの罰を連帯責任で受けた経験がある人はいると思う。
この「連帯責任」がマジで気になる。
例えばクラスのAくんが掃除の時間にホウキをまたに挟んで嬉々とした様子で魔女の宅急便ごっこをしていたとしよう。
その様子を見た廊下掃除中のBくんは思うだろう。
「魔女宅ごっこしてんじゃねえよ」と。
そしてBくんはAくんの姿を見て条件反射的に次の行動を決断する。
「先生にチクったろ…」
無事、先生にチクられたAくん。
当然先生からおしかりを受けることになる。
「掃除中に魔女宅ごっこしちゃだめでしょう。」
「魔女宅ごっこしてごめんなさい。」
次の瞬間、なにを思ったか先生はAくんの所属する班員を集める。
「Aくんの魔女宅ごっこを注意しなかった皆さんにも責任があります。」
そしてこのセリフ。
「じゃあみなさん、連帯責任で罰として中庭掃除をしましょう。」
この一言によってAくんの所属する班員の昼休みが消滅するのだ。
真面目に雑巾がけをしていたCさんも
ごみをチリ取りに入れた後にチリ取りを少し下げたとき、とりきれていないチリがあることにイラつくDくんも
上靴が異様に汚いがめっちゃいいやつのEくんも
Aくんが股の間にホウキをはさんで教室内を狂喜乱舞していたことがきっかけで学校唯一のフィーバータイム、昼休みを奪われるのだ。
キックベースも、縄跳びも、竹馬も、一輪車もできないのである。
さてここで問題だ。
Cさん、Dくん、Eくんの昼休みが失われたのは誰のせいでしょう。
答えは明確である。
先生だ。
少年少女たちの当然の権利、「昼、休む」を奪い取ったのは先生のあの一言なのだ。
魔女宅ごっこをチクってしまうBくんもどうかと思うが、人間というのは他人がさぼっているのを見ると無性にむかつくものだ。仕方あるまい。
たぶんBくんは誰かが言っていた悪口を本人に伝えてしまい人間関係をこじらせさせるタイプだが、今回の行動に非はない。
Aくんはとんでもバカ野郎である。
ホウキを使った魔女宅ごっこという創意工夫のかけらもなく、ユーモアのセンスが1ミリも感じられない遊びをしてしまったのだから昼休みなしでも妥当だ。
リボ払いで家電を買ったりするタイプだろう。
だがほかのCさんDくんEくんはどうだろう?
なんの罪もないことは明白だ。
そんな善良な生徒たる彼らの昼休みをはく奪したのはほかでもない先生なのである。
とまあこんな具合に連帯責任は理不尽な形で振りかざされる。
しかも、これに納得できないと何故かほかのメンバーからキレられたりするからやってられない。
なぜかほかのメンバーが被った罰を共有することが「良い」とされているのだ。
訳が分からない。
逆に共有しなければ「悪い」とされ、白い目で見られる。
そういう人も苦手だ。
飲み会の1杯目でビールを頼まなかった人の陰口とか叩きそうだからだ。
そもそも他のメンバーとなにかしらを連ねた覚えがなく、連帯もクソもない時だってあるので、やっぱり連帯責任には納得できない。